ドライブレコーダーは買ってからが本番。「自分で付けられるの?」「店に頼むといくら?」「持ち込みだと高いって本当?」——取り付けを巡る疑問を、工賃相場・法規・DIY手順まで一気に解決します。
時間がない人へ(結論):シガーソケット給電の一体型なら自分で10分。配線を隠したい・前後2カメラ・駐車監視をやりたいなら、DIYは中級レベルになるので店に頼む(前後で工賃1.6〜3万円前後)のも十分アリです。持ち込み取付は購入時の1.5〜2倍が目安なので、工賃込みで買う場所を決めるのが賢い選び方です。
「自分でやるか、店に頼むか」は電源の取り方で決まります。

※本記事の工賃・価格は2026年7月時点に各公式サイト等で確認したものです。店舗・車種・機種により異なるため、正式な金額は必ず店舗にご確認ください。
業者に頼む場合の工賃相場
まず「頼むといくらか」から。カー用品店の公式情報と実勢をまとめました。
| 依頼先 | 前のみ | 前後2カメラ | 持ち込み時 |
|---|---|---|---|
| オートバックス | 3,500円〜(シガー)/ 4,400円〜(配線接続) | 16,500円〜 | 20,000〜30,000円 |
| イエローハット | 8,250円 | 19,250円 | 公式記載なし(約2倍が通説) |
| ジェームス | 店舗ごと | 店舗ごと | 店舗購入で工賃半額の特典あり |
| 出張取付(Seibii等) | — | 22,000円(国産車・税込) | 持ち込み前提のサービス |
| ディーラー | 見積り制 | 10,000〜50,000円 | 対応しない店もある |
- 作業時間の目安は30分〜1時間半(前後カメラ・配線処理ありだと長め)。土日や繁忙期は予約が埋まりやすいので事前予約を
- 持ち込み取付は購入時の1.5〜2倍が相場観。「ネットで安く買って持ち込む」と工賃で差額が消えることもあるため、本体+工賃の総額で比較するのが正解です
- ディーラーは純正・新車同時装着なら最もスムーズ。持ち込みは断られる場合があります
取り付け位置のルール:「上部20%以内」が絶対条件
ドラレコはフロントガラスのどこに貼ってもいいわけではありません。道路運送車両の保安基準(第29条)とその細目告示で、貼り付けてよい範囲が決まっています。
- フロントガラス上縁から、ガラス実長の20%以内(いわゆる「上部20%ルール」)
- またはルームミラーの裏側(ミラーで遮蔽されて運転視界に入らない範囲——条文で明文的に認められています)
この範囲外(ガラス中央など)に貼ると保安基準不適合で、車検に通りません。
「20%以内」を実際に測って決める
感覚で貼らず、メジャーで一度測れば確実です。
- フロントガラスの縦の長さ(上縁〜下縁)を測る
- その20%を計算する(例:縦80cmなら上から16cm以内、縦100cmなら上から20cm以内)
- 上縁からその寸法までが、本体を収めてよい範囲。本体の下端がここに収まるかで判断する
迷ったらルームミラー裏の助手席寄りが正解。視界の邪魔にならず、車検も問題なく、ミラーの死角で目立ちません。
貼る前に「先客」を確認する
最近の車はフロントガラス上部が機器の一等地で、すでに何かが付いていることがあります。
- ADAS(先進運転支援)のカメラユニット:自動ブレーキや車線逸脱警報のカメラがミラー裏に収まっている車種では、そのカバーを塞がない位置に
- レインセンサー・日射センサー:ミラー付近に埋め込まれていることがあります
- 地デジ/ETCのアンテナ:貼り重ねられません。近づけすぎると受信ノイズの原因にも
- 黒いドット部分(黒セラ):ざらついた面なので両面テープが剥がれやすい
装着可否は車種ごとに異なります。自分の車の取扱説明書でフロントガラス周辺の記載を一度見ておくと確実です。
実用面の3チェック
- ワイパーの拭き取り範囲内に付ける:範囲外だと雨の日に水滴で映像がにじみ、肝心の瞬間が記録できません
- 車検ステッカーを避ける:ステッカーが影として映り込みます
- 運転席から信号が見える位置か確認:本体が大きい機種を低めに付けると「停止線で信号が見えない」という実害が出ます
位置決めの失敗例と、貼り直す方法
位置の失敗は貼ってから気づくのがつらいところ。多いのはこの5つです。
| 失敗 | 何が起きるか | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| 低すぎる | 停止線で信号が見えない/視界に入って気が散る | 運転姿勢で仮確認 |
| ワイパー範囲外 | 雨天の映像が使い物にならない | 拭き取り範囲の内側へ |
| 黒セラに貼った | 数日で落下する | 透明なガラス面に貼る |
| ミラーに干渉 | ミラーの角度調整ができない | ミラーを動かしてから決める |
| アンテナに重なる | 地デジの受信感度が落ちる | アンテナから離す |
貼る前に必ず「仮留め→録画チェック」を。付属の両面テープは剥がさず、マスキングテープで仮固定して一度走り、映像の写り方と視界を確認してから本固定します。
すでに貼ってしまった場合も貼り直しはできます。両面テープはドライヤーで温めると剥がしやすくなり、交換用の両面テープ(貼り替えシート)が各メーカーから出ています。ガラス側に残った糊はシールはがしで落とせます。
自分で取り付ける:電源の取り方3方式
DIYの難易度は、電源をどこから取るかでほぼ決まります。
方式1:シガーソケット(難易度★☆☆・10分)
付属のシガープラグを挿すだけ。工具不要でいちばん簡単、まず動かしたい人はここからで十分です。弱点は配線が露出して見た目が悪いことと、ソケットを1つ占有すること。露出した配線は運転操作の邪魔にならないよう、天井・ピラーの内張りに軽く押し込みましょう。
方式2:ヒューズボックスから電源取り出し(難易度★★☆・1〜2時間)
配線を完全に隠せる定番DIY。ヒューズ電源コード(数百円)で車のヒューズボックスからACC電源を取り出します。ここだけは押さえてください。
- ヒューズ形状は3種類(低背/ミニ平型/平型)。必ず自分の車の純正ヒューズと同じ形状・同じアンペア数のヒューズ電源を使う
- 検電テスターでACC電源を確認:エンジンOFFで点灯=常時電源、ACCの位置でだけ点灯=ACC電源。ドラレコの通常録画はACCから
- エアバッグ系・コンピューター系のヒューズからは絶対に取らない
- 差し込む向きにも指定があります(電源側コードをヒューズボックスの電源側端子へ)
方式3:ナビ裏などから直結(難易度★★★)
内装の分解とギボシ加工が必要な上級者向け。ここまでやるなら、工賃を払って店に任せる方が確実です。
配線隠しに必要な工具(合計2,000円前後)
- 内張りはがし(500〜750円):ピラーカバーや天井の縁をこじ開ける
- 配線ガイド(450円前後):内張りの中にケーブルを通す針金
- 結束バンド・ケーブルクリップ:配線のたるみ留め
天井→Aピラー→ダッシュボード脇→ヒューズボックスの順にケーブルを押し込んでいくのが基本ルートです。Aピラー内はエアバッグが入っている車種があるので、カバーを外す前に取扱説明書を確認してください。
リアカメラの配線が最大の難所
前後2カメラで自分でやる人がつまずくのが、リアゲートとボディをつなぐゴムの蛇腹(じゃばら)にケーブルを通す工程です。配線ガイドに潤滑剤(シリコンスプレー)を併用して通すのが定石ですが、ここで挫折して店に持ち込む人も多い=前後2カメラは最初から業者依頼が現実解という判断も全く恥ずかしくありません。
駐車監視をするなら「直接配線コード」
車中泊派・車上荒らし対策で駐車監視を使うなら、エンジンOFF後も給電する専用の直接配線コード(3,000円前後・メーカー純正オプション)が必要です。
- 配線は3本:黄=常時電源ヒューズ・赤=ACC電源ヒューズ・黒=車体金属部(アース)が国内主要メーカー共通
- カットオフ電圧の設定を必ず有効に:バッテリー電圧が下がったら給電を自動停止する機能。これを怠るとバッテリー上がりの恐れがあります
DIYでよくある失敗5つ
- 位置の失敗:低すぎて信号が見えない・ワイパー範囲外で雨に弱い・車検ステッカーの影が映る。両面テープを貼る前に、テープを剥がさず仮当てして録画チェック
- 電波干渉:ドラレコのノイズで地デジの感度低下・GPSの測位不良が起きることがあります(メーカー公式も注意喚起)。地デジのフィルムアンテナから離す+仮留めでテレビ・ナビの動作確認をしてから本固定
- 電源の取り違え:常時電源に通常録画をつなぐとバッテリーを消耗。検電テスターでの確認を省かない
- 配線と金属部の干渉:走行振動で被覆が擦れて破れるとショートの危険。金属エッジを避けて固定
- 内張り破損・警告灯:クリップの破損や、分解中にセンサーコネクタを抜いて警告灯が点くトラブル。不安な車種は無理せず業者へ
豆知識:OBD検査とドラレコ
2024年10月から始まったOBD検査(対象は2021年10月以降の新型車)で、ドラレコ自体は検査対象ではありません。ただし国交省は「車検の際はOBDの差し込み口に接続された機器(ドライブレコーダー等)を予め外す」よう案内しています。OBDポートから電源を取るタイプを使っている人は、車検前に外しておきましょう。
よくある質問
Q. 取り付け時間はどれくらい?
A. 業者なら前のみ30分前後、前後カメラ・配線処理ありで1時間〜1時間半が目安です。DIYはシガー給電10分、ヒューズ取り出し+配線隠しで1〜2時間、前後カメラなら半日見ておくと安心です。
Q. ネットで買って持ち込むのと、店で買って付けてもらうのはどっちが得?
A. 持ち込み工賃は購入時の1.5〜2倍が相場なので、本体の値引き分が工賃差で消えないか総額で比較を。工賃コミコミセットを出している店なら、それが一番わかりやすいです。
Q. リアカメラだけ後から追加できる?
A. 機種によります。前後セット品のリアカメラ単体追加は基本不可なので、将来前後にしたいなら最初から前後2カメラを選ぶのが安全です。タイプ選びはドラレコ完全ガイドへ。
Q. 自分で付けて車検に落ちることはある?
A. 位置が範囲外(上部20%外・ミラー遮蔽外)だと保安基準不適合になります。この記事の位置ルール通りなら問題ありません。不安なら車検時に指摘された位置へ貼り直せばOKです(両面テープの貼り替えシートが売られています)。
Q. 取り付け位置は運転席側と助手席側、どっちに寄せる?
A. 助手席寄りが基本です。運転席側に寄せると本体が視界に入りやすく、信号や標識の確認の邪魔になります。ミラー裏の助手席側なら、車外からも目立たず盗難抑止にもなります。なお、映像の画角は左右どちらに寄せても大きくは変わりません。
Q. 一度貼った両面テープは剥がして貼り直せる?
A. 剥がせます。ドライヤーで温めると粘着が緩んで剥がしやすくなり、ガラスに残った糊はシールはがしで落とせます。ただし元の両面テープは再利用できないので、メーカー純正または汎用の貼り替え用テープを用意してください。
まとめ
- シガー給電ならDIY10分。配線隠しは工具2,000円+1〜2時間の中級DIY
- 前後2カメラ・駐車監視は業者依頼が現実解。工賃は前後1.6〜3万円前後、持ち込みは1.5〜2倍
- 位置は「上部20%以内 or ミラー裏」+ワイパー範囲内が鉄則。メジャーで縦を測って20%を計算すれば迷いません
- 貼る前にADASカメラ・センサー・アンテナ・黒セラを避ける。仮留め→録画確認→本固定の順で失敗ゼロに(貼り直しも可能)
- 駐車監視は直接配線コード+カットオフ設定でバッテリー上がりを防ぐ
- これから選ぶ人はドライブレコーダー完全ガイド、車中泊の防犯目的なら駐車監視ドラレコおすすめ7選へ
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